恋心2006/05/02 22:55

今日はまぁいろいろあって、タクシーで家路に着くことになった。

女性のタクシードライバーの方と約20分、楽しい話しを聞かせてもらって、なんかちょっと得した気分だった。

彼女は60歳ということ。まずは、彼女の娘さんに関わるお話し。
彼女の娘さんは、最近結婚した。それで、相手が、東南アジア系(ものすごいおおまかなくくりだけど...)の律儀な男性。律儀という言葉がぴったりだという。
彼女の母親は、入院していて、娘が彼を紹介した際に、日本人だと思い込んでいた。日本人っぽいので、名前を聞くまでは分からなかったらしい。(日本語もペラペラなんだろうか?)
その彼は、おばあちゃんにとても親切で、リハビリにも付き合ったりしてて、そんな姿に、おばあちゃんは涙を流して喜んでくれてるって。彼女曰く、昔の日本人の持って優しさのようなものを感じるということだ。
ただ、彼女は昔が良かったとかそんな意見ではなく、単純にそう感じているみたいだった。
60歳になった今、タクシーで街を走って、小学生を見ると自分の小学校時代の事が、まるで重なるようにスーッと鮮明に思い出されるんだって。それがすごく楽しいって。
どんな感覚なんだろう。でも、今まで見えなかった何かが見えてくるのだろうか。そう考えると年を重ねて行く事も、老いという恐怖の反面、楽しげに映る。


それから、彼女自身の話し。
最近、同窓会があった。同窓会で、向かいの机に、みんなが「あの格好のいい男の人は誰だろう?」と盛り上がるくらいの美男子、謎の男が座ってた。その謎の男は、数年前にくも膜下出血で亡くなったという死亡説の流れた男。そして、彼女が昔恋焦がれていた男。
それで、彼女はびっくりして(だってくも膜下出血というありがちな死亡説が流れると疑わないよね~)、でも勇気を振り絞って話しをした。
彼は、本当にくも膜下出血で、瀕死の状態だったらしいけど、奇跡的に命を取り留めたという。
そこで、きっといろんな思い出話をしたんでしょう。気がつくと、2人は他のメンバーと離れ離れになり、近くのバーに行くことになった。
バーへと向かう道で、彼は当たり前のように彼女と腕を組んだ。
彼女は、想いの人にいきなり腕を組まれ、恥ずかしさのあまり下を向くと、彼は、「こんないい男を並んで歩いてるんだから、もっと、胸張って歩きなさい」と笑顔で言った。(う~ん、これは年を重ねないと言えないし、格好いい言葉にならないかもしれない。)
と、この辺りで、自宅に近づきもっと話しを聞きたかったが残念。
彼女は、彼が「ずっと近くに住んでいたら、結婚してたかもしれないね。」と言ってくれた事を喜んで話してくれた。自分の片思いだと思っていたものが、実はそうでもなかったという事がわかって、今当に恋をしているようだ。
彼女の娘さんも、それは恋だよって言ってたらしい。

ほんの20分。だけど、すごく幸せそうに彼女はこんな話をしてくれた。
僕もその幸せを分けてもらった。

きっと人の想い・感情はいつになっても純粋なもので、それは論理的に説明できるものではないと思う。それは、説明しようと思うから出てくるのであって、まずは感情が存在する。そんな事を思った。

やっぱり、人は様々で、その人の人生は唯一無二。そのものが芸術作品のようなもだ。改めて、僕は沢山の幸せをもらってるので、あなたが幸せであるるために何かできる事探して行こうと勇気をもらった一日でした。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://schicksal.asablo.jp/blog/2006/05/03/350657/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。