崖の上のポニョ2008/07/23 18:04

崖の上のポニョ

宗介(土井洋輝)は、崖の上の家に住む5歳の男の子。お母さんは、強~くって、優しいリサ(山口智子)。お父さんの耕一(長嶋一茂)は、小金井丸の船長。いつも海に出ていてなかなか家に帰って来れない。

お話は、宗介が海で金魚の!?ポニョ(奈良柚莉愛)を見つけることで始まる。宗介はポニョを守ると決意するが、ポニョはお父さんのフジモト(所ジョージ)に連れ戻されてしまう。でも、ポニョは大好きになった宗介に会いたく、そして人間になりたいと願う。

ポニョが可愛い。いいキャラクターだ。
純粋ってやっぱり人の心を打つと思う。

宮崎監督が舞台挨拶やパンフレットでも言ってるように、この作品は原点回帰というか、えんぴつの線で描かれたアニメーション作品で、単純なストーリーの作品。確かに最近のアニメに比べ、実写に迫るような緻密な絵ではない。けど、昔ながらのアニメという印象を受けるし、特にポニョの世界観にはマッチしてると思う。

上手く感想が書けないのは、おそらく論理的に見てないからだろう。この作品の不思議な世界とポニョ、宗介の真っ直ぐさ、それを囲むリサ、ポニョのお母さんグランマンマーレ(天海祐希)の優しさ、愛情。
それらがすごく素直で、好きだから会いたい、一緒にいたい。それだけでいいじゃないって。過去がどうだろうと、今は今なんだし。そんな率直な感情を持てることって大切だなと思った。

原作・監督・脚本:宮崎 駿
音楽:久石 譲
声の出演:山口 智子、長嶋 一茂、天海 祐希所 ジョージ奈良 柚莉愛土井 洋輝ほか

ミッドナイトイーグル2007/11/25 17:17

ミッドナイトイーグル
MIDNIGHT EAGLE

西崎優二(大沢たかお)は、国際的に有名な戦場カメラマンだったが、3年前から戦場を撮ることを止め、山にこもり空の写真を撮り続けている。その間、妻を病気で失う。その妻の妹、有沢慶子(竹内結子)は、週刊「WISE」の記者。東京で、優二の息子(佐原弘起)を引き取り、2人で暮らしている。

お話は、冬山で写真を取っていた。そこに轟音とともに空を駆ける赤い光を見つけ、西崎はシャッターを切る。この写真に写った赤い光の謎を知るため、元大学の山岳部の後輩・落合に押され、その現場に向かう。そこには自衛隊と謎の武装集団が!冬の雪山の極限状態で知らされる絶望的な事実。日本滅亡までの時間は48時間。日本を救う方法はあるのか?(といったところかな?)

原作も知らず、どんな映画かすらも知らず(無の状態)で見に行ったんだけど、これが意外にも良かった。日本が最後には救われるとは分かっていても、ベタベタなお話(日本沈没と同じような終わり方なんだけど)のようであっても、やっぱりこう正義に命をかける姿って、心打つんだよね。少なくとも僕は、そういうのに弱く、涙腺が緩む。

あと、もう一つ好きだったのは、優二と慶子の関係かな。
恋も愛も自分のなかで生まれる想い。その生まれた想いが、お互いに伝わりあうことことで、成立する繋がり。←これって一般的にはなんて表現するんだろう?恋愛かな?
あんまり映画の中では描かれてなかったんだけど、慶子の「許さない」「絶対許さない」ってセリフで僕は二人のこの繋がりみたいなものを感じました。
お互いの想いは繋がってるのに、お互いに上手く伝えられないこともきっとあるんですよね。それが成立するかどうかはまた別問題なんですよね。

この映画のテーマとしては、(家族)愛。

「みんな」とか、「より多くの人」とかその曖昧な相手になにかをしたり、伝えたりするのって良くあるけど、僕はやっぱり、「誰か(特定の個人)」に向けられた想いの強さを超えることは難しいと思う。
反面自己中心的になりすぎると、危険な場合もあるけど。でもね、例えば、自分の子供を守りたいと想う気持ちがあると、その気持ちは他の誰もが共有する気持ちだって分かる気がする。だから、まずは、そこから始めてもいいんじゃないかな。

この世界観に入り込んで見れると、楽しめる映画だと思います。

監督:成島 出
原作:高嶋 哲夫
脚本:長谷川 康夫 、飯田 健三郎
出演:大沢 たかお竹内 結子玉木 宏ほか
音楽:小林 武史
主題歌:Bank Band 「はるまついぶき」

転々2007/11/18 19:04

転々
時効警察好きの僕としては、見ないわけにはいかない転々を見てきた。

「散歩」=気晴らしや健康などのために、ぶらぶら歩くこと。散策。

竹村文哉(オダギリジョー)は、大学8年生。幼い頃に両親に捨てられ、育ての親は逮捕され、孤独な青年。84万円の借金を抱え、福原(三浦友和)に厳しく取り立てられる。

返済期限は3日後。返済期限の前日に文哉は、福原から借金返済との交換条件に、吉祥寺から霞ヶ関までの東京散歩に付き合うことを提案される。なぜ、霞ヶ関かのか?散歩の途中で、福原の知人麻紀子の家を訪れ、そこで、擬似家族のような数日を過ごす。散歩はいったい、いつ終わるのか。

散りばめられたギャグはすばらしい。コインロッカーに隠された鞄の中身、街中に潜む猫、崖のにおいのする○○○、熱い!?柿、愛玉子のばか息子、商店街の時計屋さんの正体、三角の畳の脅威、岸辺一徳などなど...それが、更に物語の最後の切なさを引き立てるスパイスになってね。

戻るべき場所、戻りたくなる場所、それはやっぱり故郷なのだろう。自分のルーツとなった場所。そこに行くと、思い出す。
それは、きっと幸せな時は忘れてしまっている。けど、傷つき、倒れそうな時にきっと気付くはず。そして感謝する、故郷が、自分の戻るべき場所があることに。誰にだってあるはずだよね。

散歩、散歩、散歩・・・って考えてたら、なんか、これって、進むコマが決まってない(自分で決めていい)双六みたい。進める距離は、サイコロふった時に、きっと神様が決めてるんだろうし、止まったコマではそりゃいろんな予想しないことも起こるし。それに、双六との最大の違いは、あがりが無いって事かな。もちろん、他の人も盤面に出てくるけど、競争じゃないし、ゲームにはならないよね。自分が決めた時点があがり!

監督・脚本:三木 聡
出演:オダギリジョー、三浦 友和、小泉 今日子ほか

クワイエットルームにようこそ2007/11/17 20:55

クワイエットルームにようこそ
クワイエットルームにようこそシネマライズで見て来た。

佐倉明日香(内田有紀)は、仕事も恋愛も上手くいかない28歳のフリーライター。明日香の同棲相手で、弱々しく自分をもたない放送作家焼畑鉄雄(宮藤官九郎)。拒食症のミキ(蒼井優)、過食症の西野(大竹しのぶ)、冷酷ナース江口(りょう)など個性的な患者やナースが登場する。

明日香は気付くと、見知らぬ天井を見上げベットに拘束されていた。江口に睡眠薬の過剰摂取が原因でこの閉鎖病棟へ運びこまれたことを知る。担当医と保護者の同意がないと退院できない!ただ、担当医は手ごわそう。それに保護者役の鉄雄も頼りない。。。明日香は病院で、さまざまな患者に出会い、自分がここに居る理由がわからなくなり、一日も早く出たいと願う。明日香は、だんだんとなぜここに運びこまれたのかを思い出し、さらに鉄雄からの手紙で全てを思い出す。その時明日香は?

コメディかといわれるとコメディだろう。笑えるし。でも、それだけじゃない。ひょっとしたら、笑われているのは自分かもしれないって感覚も持った。

つい、自分は「まとも」(=この言葉も曖昧だが)だと思う傾向がある。ある一面だけで、その人は「変」だと決め付けて、それ以外の部分をみないようになってしまう。それってどうなんだろうね。

人はなにかしら「変」な部分をもっているんだよ。それは悪ではないし、普通なこと。それが人間性といかその人の面白みを生み出すものでもある。

作者の意図とは違うのかもしれないけど、僕はクワイエットルームって、たまに逃げ出したくなる自分だけの世界のように感じた。そこは、考えることは自由だけど、何も出来ないんだよね。必要な場所。けど、ずっとすこに居ることはできない。
だから、病院は、社会の投影かなと思った。そこにはいろんな人が、みな自分の世界が正しいと信じ生きている。

じゃーその外の世界って何?

自分の知らない社会なんだろう。まだ知りえない社会はたくさん存在する。そして、それはいつの間にか自分の社会に同化し、ふと気付くとクワイエットルームに居たりする。そうすると、暫くは病院で、いやいやながらも療養し、また退院したいって思う。

映画の中のジグソーパズルでエッシャーの無限階段が出てくるのなんかすごくやられた!って感じがした。人間生まれてからどんなに歩いた気がしても、ひょっとしたらいつも同じところにいるのかもしれない。そう思ってるだけでね。根本的な事ってすっごくシンプルだから、同じ道を歩いて歩いて最後に気付くのかもね。あ~これだったのかって。なんか、ギャグみたい(笑)。まぁ人生ってそんなものである方が楽しいのかもね。

監督・脚本・原作:松尾 スズキ
出演:内田 有紀宮藤 官九郎妻夫木 聡ほか

クローズド・ノート2007/11/17 17:35

クローズド・ノート
初日舞台挨拶に行く予定で急遽行けなくなり、ただニュースを見ると行かなくてよかったのかも...と思いつつも、やっぱり映画としては観てみたいのでクローズド・ノートを観てきた。

堀井香恵(沢尻エリカ)は、小学校の先生を目指す大学生。
石飛リュウ(伊勢谷友介)は、画家兼イラストレーター。
真野伊吹(竹内結子)は、初めての担任として、若草小学校の4年2組のを受け持つことになった新米の先生。

香恵は、母親ができちゃった再婚をしたために一人暮らしをはじめる。香恵の部屋を見つめていたリュウと出会い、惹かれていく。香恵はその恋しさを胸に、先の住人・伊吹が忘れていた日記を、読んでしまう。そこには伊吹先生の日常と”隆”への恋心が綴られていた。でも、その日記の最後のページは破られていた。

当たり前だけど、想いは伝えないと伝わらない。でも、伝え方は難しい。そこにすれ違いが生まれる。それは切ないけど仕方ない。それもまた運命なんだろうと思う。切なさは人を、人生を高めてくれると思う。それはとても幸せな事、感謝すべき事。

人と人が出会う奇跡、そこから生まれる絆の奇跡。

何気ない出会い。街で通りすがりの人と目が合うことだって運命だよね。あんなに人がいるのに。たまたま、見かけた人の話を友達とする。笑ったり、考えたり。いろんな干渉を生み出す。素敵だよね。

あいだみつをの「そのときの出会いが」って言葉は、いつも僕のキーホルダーで一緒に歩いている。今という時間しか生きれないから、いつも、その時を大切に生きていくことが、これまで出会った人たちへの恩返しになるのかな、なんて思いつつ生きています。

いつものように映画の話とはそれてしまったけど、そんな事を思わせてくれる映画でした。

監督:行定 勲
原作:雫井 脩介 「クローズド・ノート」(角川書店)
主題歌:YUI 「LOVE & TRUTH」
出演:沢尻 エリカ伊勢谷 友介竹内 結子ほか

HERO2007/11/17 16:40

日経エンターテイメント12月号で、動員550万人、興行収入が70億円突破し、80億円を超えると見込まれているHERO

久利生公平(木村拓哉)は、中卒ながらも司法試験に合格し、検事に。通販グッズで体を鍛え、検事らしからぬ容姿だが、正義感が強く、どんな事件でも徹底的に納得いくまで調べる。
雨宮舞子松たか子)は、とにかくまじめな久利生担当の検察事務官。
蒲生一臣(松本幸四郎)は、刑事事件無罪獲得数一意の呼び名で知られる大物弁護士。元検事。

お話は、6年ぶりに東京地検城西支部に戻ってきた久利生が、芝山検事(阿部寛)の傷害致死事件の裁判を受け持つことによって始まる。容疑者の自白もあり、一見すぐに終わりそうな裁判に、蒲生が現れ、容疑者は一転否認。そこには、過去山口で担当した事件で因縁のある代議士・花岡練三郎(タモリ)の影が。久利生は傷害致死事件の真相を暴くため、真実を追究する。

安定感のある面白さだ。城西支部のメンバーの個性がテレビで作られてるから、いつもの安心感?のようなものに包まれ、また久利生がきっと事件を解決してくれるだろうという期待を持ち、最後にはあーやっぱりよかったね~と無着陸させてくれるところはさすがでしょう。

映画のパンフレットに、スタッフ座談会「HERO」はこうして生まれたってのがあって、統括プロデューサーの石原隆さん、監督の鈴木雅之さん、脚本家の福田靖さんの話が載っている。
面白いなって思ったのが、各視点からの意外性の創出みたいなものが、うま~く重なっていい作品ができたのかな?って思えたところ。
石原さんは、検事ものと刑事ものとの差別化を考えたとき、同じ事件でストーリーをひっぱるものの、検事は逮捕したくてもいいんじゃない、って考えたところ。
福田さんは、99.9%がデスクワークという検事を外に連れ出し、そのせいでみんなも残業させられる...という設定=ある意味コメディなんだって。でも、だから熱い科白が生きるという事。
鈴木さんは、検察には無いみんなの集まるフリースペースを用意して、そこで個と仲間とを上手く融合し、人間らしさを出すという演出を。

役者さんが演じてるから確かにカッコいい。ただ、これって僕らが日々学校に行ったり、仕事をしたりしてることと同じなんだと思う。基本的には、同じことの繰り返しのように思える。けど、いつも状況は変化し、そこに関わる人は変わったりする。だから、同じ事を同じように機械的に繰り返すじゃなくって、関わる人を観、考え、自分の正しいと思うことを徹底的にやることができれば、みんなHEROみたいに生きていけるんじゃないかな?

製作:亀山 千広
企画:大多 亮
プロデュース:石原 隆
監督:鈴木 雅之
脚本:福田 靖
音楽:服部 隆之
出演:木村 拓也、松 たか子、松本 幸四郎、タモリ、国仲 涼子ほか