不自由な心2006/07/22 20:25

白石一文の「不自由な心」を読んだ。

天気雨
卵の夢
『たとえそれがどんなに衝動的なものであったとしても、行動こそは人の心の行方を決定づける力を持っている。大体が進路というものはそうやって行動に引きずられて出来上がっていくものだ。』(卵の夢より)
夢の空
水の年輪
不自由な心
『忌み嫌い、目をそむけ、拒絶している限り、死はいかなる時も人を脅かし混乱の極みに連れ込む。...
死ぬことを心から恐れるためには、生きることを心から愉しまなければならない。 』(不自由な心より)
の5編からなる作品集。

「あとがきにかえて-小説の役割」に書かれている事だけど、最初の作品から順番に読んで欲しいというのが作者の願いだ。僕もその通りだと思う。

天気雨はまだ軽い。けど、卵の夢から少しくる。夢の空、水の年輪でど~んとくる。そして不自由な心でうまく着地して穏やかになるような気分だ。

人生とは、きっとささやかなものなのだろう。だからこそ、ドラマや小説は見てて楽しめる、エンターテイメントとなるのでしょう。

選んだ道が正しかったのか?と悩んで、後ろを見てしまうこともある。でも、きっと正しいかどうかは、自分が決めること。僕は後悔しないように、その時に正しいと信じた道を歩みたい。

「選択しない」と信じて出した決断なら、後悔しない。けど、なんとなく進むことを止めてしまった決断はいつまでも心のしこりになって、自分を苦しめる。

神様にでもなれば、この煩悩は消せるんだろうけどね。
けど、それだと人の、人としての楽しみがなくなってしまう。不器用に、ぼろぼろになりつつも歩む道はキット目指す場所へ通じているんだと信じています。

   
 

   

《参考》
MovieWalker