ナガオカケンメイの考え ― 2006/12/14 22:17
デザイナーのナガオカケンメイ氏の2000年から2005年までの日記をまとめた本「ナガオカケンメイの考え」を読んだ。約400ページの分厚さで、ペーパーバックのような感じで、本屋に平積みされていて、ついつい手にとってページをめくっているうちに家へと連れて帰っていた。(ちゃんと身代金は払いました。) デザイナーであり、会社の社長であるナガオカ氏の、デザインというものを通しての社会との関わりを創り上げようという意思、苦悩、心の葛藤というものが日記形式というのもあり、すごく分かりやすく伝わってきた。 何かを実際にやっている人の言葉は強い。評論ではないから感動する。 ここに書き上げてもあんまり伝わらないかもしれないけど、僕の好きな言葉をいくつか紹介します。 デザイナーは依頼されたデザインを、『デザイン業界』に見せるためにデザインしていてはダメだと思う。デザインを判定するのは、いつの時代も素人である生活者だ。 マニアに分かってもらいたいポイントをそんな生活者の中に持ち込もうとする時、ビジネスは成立しなくなる。 『経験』とは何か。答えは『挑んだ』中にしかない。 結局、人を通じてしか自分の幸せは確認できませんから、ものすごく『自分の生き方』というのは、自分ではどうすることもできないのかもしれません。 やっぱり人は人が好きなんですね。 真のクリエイターというのは、ゼロからの創造を行う人で、そこにはビジネスという発想はないのが理想。一旦仕事というものに変わると、相手が発生し、そこには与えられる仕事がある。既に開始点がゼロではなくなる。それでも、クリエイターとしてのプライドを持って、相手の期待以上のものをクリエーションするのがプロの仕事だろう。その積み重ねでいつかは、ビジネスという観点を超えた何かを社会に残せる日が来るんじゃないかって思った。 ナガオカケンメイ 1997年にグラフィックデザインと映像制作の新しいクリエイションを創造する集団「DRAWING AND AMNUAL」を設立。2000年に、デザイナーが考える消費の場を追求した「D&DEPARTMENT PROJECT」を開始。2005年にはロングライフデザインとテーマとした隔月刊誌「d long life design」を創刊。 |
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_ anonymous-life - 2006/12/29 15:30
『ナガオカケンメイの考え』 :ナガオカケンメイがやろうとしていることは僕はある種、企業経営としては理想だろうと思う。それが、簡単に「夢」なんてうすっぺらな言葉でかたずけられるのではなく、消費者もそれに賛同して、今後とも存在してゆけるのであば、僕はそれを今僕らが住まう社会というものの一片の希望を称してもよいのではないか、そう思うのです。
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