YOSHITOMO NARA +graf A to Z2006/11/23 20:13

YOSHITOMO NARA +graf A to Z
ブログへの掲載が遅くなってしまったけど、YOSHITOMO NARA +graf A to Zの話題。展覧会で申し込んでた「A to Z」本が届いたのでその時の感動を思い出しつつ。

2006年7月29日~10月22日に、青森県弘前市にある吉井酒造煉瓦倉庫で開催された奈良美智とgrafのコラボレーション企画。大正時代に作られた重厚なレンガ造りの倉庫内に、からまでの26の小屋が立ち並ぶ空間で、存分に作品を味わえた。いや、体験し、実感できた。

青森に突然行きたくなり、そこでたまたまこの展覧会に巡り合い、それがより一層僕に感動を与えてくれた気がする。奈良さんの絵はテレビの特集や雑誌で目にはしていたが、実物を見るのは初めて。

重厚で歴史のあるレンガ作りの倉庫に入るにもちょっとした不安感と何があるんだろうという期待感。一つ一つのの小屋に入る時、子供のときのようにワクワクした気持ちになり、そしてその空間はひとつひとつ違い、それぞれの感動を与えてくれるんだけど、そこに暫くいると何故か安心感というか自分自身が馴染んでいくような気持ちになった。

全部を紹介したいんだけど、それは「A to Z」本を読んだほうが正確なのは間違いないので、僕印象に残った小屋を2つ書きます。

C:Taipei Summer House
この小屋は2つの部屋に分かれていて、ジャック・プレヴェール『鳥への挨拶』のデザインの作品とアンクリット・アシャチャリヤーソーポンの『Celebrate Human Being』(2006)が展示されていた。
『Celebrate Human Being』は、真っ白な木から金色人の頭が飛び出しており、その周りを赤と青のりんごが囲んでいる。リンゴから連想するアダムとイブ、人間の生命の誕生・起源というものを感じるインスタレーションだった。

P:パーティルーム
真っ赤な部屋に流れるレトロな感覚の音楽。クリスマスツリーや照明が否応無くパーティーの雰囲気を醸し出す。そこには二人がけソファー。
壁には「I DON'T MIND, IF YOU FORGET ME」の文字。決して後ろ向きな意味の言葉ではないんだけど、刹那さを感じる。さらに「Nothing Never Happens」は、それでも、力強さを与えてくれる。パーティーって刹那なイメージがあるんだけど、その言葉と部屋の雰囲気がマッチしていた。生きてるって事に重なる感じがした。

弘前の街全体がA to Zの色に染まっているような感じを受けた。改めてそこに生きる人、人と人が生み出すモノがアートと呼ばれるものなのかなって感じた。さらに、小屋というコンセプトで、自分がそこに入り感じることで、そこを訪れた人も含め作品が出来上がり、さらにそれは次の力となっていくのかな。 芸術と呼ばれるもの、映画・演劇・音楽なども含め、その作品を鑑賞する人が感じ、その人の中に生まれた感動が連鎖となり広まり、みんなが幸せな世界というものを創り上げられるのは素敵だな~と感じる。

そうそう、「NARA:奈良美智との旅の記録」が2007年2月から渋谷のライズエックスで公開予定だ。