原美術館コレクション展-日本/亜細亜的現代2007/09/16 12:00

オレンジの破風,1990 中村一美
<<オレンジの破風>>中村一美

原美術館に初めて行って「原美術館コレクション展」を観て来た。日本・アジアの作家の約40を超える作品が展示されていた。絵画、映像、オブジェ、インスタレーションなどバラエティに富んだ様々な作品を一度に観れて、感覚が混ざり合い、さらに御殿山という場所での静けさと緑に囲まれ、楽しい時間を過ごせた。

なかでも、印象的だったものが、中村一美さんの《オレンジの破風》。182.2cm x 350.2cmという大きい作品。色が好き。さらに大胆な中に、風を思わせる流れるような色の変化。観てるとなぜか力がみなぎるような感覚になった。

展覧会名:原美術館コレクション展-亜細亜的現代
会期:2007年7月28日(土)-10月28日(土)
会場:原美術館ギャラリーⅠ~Ⅴ
主催:原美術館

麻布十番納涼まつり2007/08/25 23:59

麻布十番納涼まつり
世界の屋台があるという噂を聞きつけ、麻布十番納涼祭りに行ってきた。

夕方から行ったんだけど、すごい人だった。(毎年40万人くらいの人が集まるらしいから、まぁそうだよね。)

まずは、目的の国際バザール会場へ!第一会場と第二会場に分かれていて、約30ヶ国の屋台が出ている。まずは、Informationへ(..ここまでの道のりも遠いんだけど)行って、地図と宇野亜喜良さんデザインの絵の入ったうちわをもらいお店を回った。

人気!?(行列のあった)のお店は、アルゼンチン、韓国、スペインといったところだったかな。
もくもくと立ち上る煙に引き寄せられアルゼンチンへ!炭火で焼いた粗挽きソーセージをバゲットに挟んで、ソースを塗ってくれる。バゲットのパリパリ感とソーセージのジューシーさがマッチしてる。
韓国は、サムギョプサル。スペインは、フィデワ(初めて見たんだけど、パスタのパエリア)。結構な列が出来てたので今回はパス。

他には、フランスのキッシュが美味しそうだったな~。カレー好きの僕としては、世界各国のカレー(インド、パキスタン、ラオス、フィリピン、スリランカ)に目移りした結果、やっぱりインドへ...ナンを窯で焼いてるんだね。

パレスチナで、生絞りジュースを頂いて、いざ日本のお祭りへ!

麻布十番がホントに屋台で埋め尽くされてる!
いろいろと食べたい誘惑をおさえつつ、でも、我慢できなかった逸品が、トルネードポテト。じゃがいもまるまる一個を串にらせん状になるように刺して、揚げる。で、最後に味付けを。僕はコンソメを選択。ポテトチップスのようにサクサクではないし、でも、フライドポテトとも違う。う~ん、塩味が効いてるのとあつあつなのが美味しいのだ。こんな食べ物があるとはね。

あ、それから亀すくい(?)があった。亀をすくうと、お店の人に1000円で売れるらしい。屋台としては、珍しいビジネスモデルではないだろうか。いろいろ考えると、もっと楽しい屋台もできそうな気がする。

また来年が楽しみだ。こうやって一歩一歩夏は過ぎていくんだね。

第1回 シセイドウ アートエッグ 平野薫展2007/01/29 00:02

untitled -skirt- 2006
資生堂ギャラリーで開催されている、平野薫 《エアロゾル》を見てきた。

資生堂ギャラリーは、銀座の資生堂ビルの地下一階にあり、天井が高い!その5mを越す天井から広がる大展示室のインスタレーションはすごく綺麗。

"平野薫はこれまで、人が使用した衣類や傘などを糸の状態まで解体し、それをつないで(もしくは編んで)空間に再構築するインスタレーション作品を制作してきました。"

今回は友人のワンピースを解体し新たな形に。かつてワンピースだった糸が紡がれて巨大に優雅に広がるドレスのような形になり、その中に入るとその広がりに包まれる。
一本一本の糸は今にも切れてしまいそうな蜘蛛の糸のように繊細。太陽の光の下で見たらキラキラ煌いていそう。それでいて、全体としての安定感がある。きっとワンピースを着ていた人も繊細で暖かい人なのかもしれませんね。人の使っていた物から、その人が再生(rebirth)されるような感覚があって、なんかいいなって思った。

小展示室には、制作に関わった時間を刻時したタイムカードがカレンダー形式で並ぶ。当たり前だけど、ものすごい時間がかかってるね~。僕が行ったときも公開制作中でした。

会 場:資生堂ギャラリー
会 期:平野薫展 2007年1月12日(金)~2月4日(日) (21日間)
     水越香重子展 2007年2月 9日(金)~3月4日(日) (21日間)
     内海聖史展 2007年3月 9日(金)~4月1日(日) (21日間)

杉本博司「本歌取り」2007/01/28 21:55

杉本博司「本歌取り」
滑り込みで、杉本博司「本歌取り」を見てきた。(ギャラリー小柳

リチャード・セラの彫刻作品"JOE"を撮影した白黒写真の作品《JOE》と《観念の形》シリーズの2作品が展示されていた。

杉本博司の作品もギャラリー小柳も初めてだったけど、写真に囲まれて、すごく独特の空気感を感じた。《JOE》は螺旋状の被写体を写しているんだけど、その影には直線を感じた。
時の流れと、そこに生きる自分。僕らは紆余曲折のある人生を歩み、ひょっとしたらいつの間にか無限の螺旋の中に迷い込み今自分がどこにいて、どこに向かっているのかも分からなくなっているのかもしれない。でも時は着実に刻まれている。歩んだ距離と時間の関係性のようなものが螺旋という形にはあるのかもしれない。

《観念の形》シリーズ、負の定曲率曲面という作品は円錐形の作品。その完全なまでの曲面の連続と空に向かう円錐の先端は心を落ち着かせてくれるとともに、なぜか生きる刺激のようなものも与えてくれる。
神経細胞の突起の先端部は成長円錐と呼ばれる円錐状の構造が存在するそうです。僕のニューロンもその円錐形に感応したのかな?(笑)
(参考)円錐形を基本とする自然現象というのも面白い。

会 場:ギャラリー小柳
会 期:2006年11月08日~2007年01月27日

日本の表現力2007/01/25 00:32

The Power of Expression, JAPAN
文化庁メディア芸術祭10周年記念企画展 日本の表現力

展示は3部構成。メディア芸術の歩みとして「日本のメディア芸術1950-2006」「表現の源流」。そして、メディア芸術の未来として「未来への可能性」

会場に入るとまずは「表現の源流」。様々な切り口から日本の伝統的文化作品を展示している。僕が面白いと思ったのは、写し絵。オランダから伝わった幻灯機をヒントに、三笑亭都楽が桐材に2枚のレンズを入れて幻灯の箱を作り、"江戸写し絵"という演芸を作り出したらしい。ちなみに関西では、"錦影絵"と呼ぶみたい。
(参考)
メディア芸術美術館 第二回企画展 写し絵
劇団 みんわ座

次が「日本のメディア芸術1950-2006」。ここでは、1950年代から現在までのアート、エンターテイメント、アニメーション、マンガの軌跡が10年毎に紹介されている。
エンターテイメントとしては、その年代に流行ったテレビCMが見れたり、ゲームなんかが展示されてりしてる。実際に遊べたりもします。ゴジラの着ぐるみもすごく近くでみれて感激!
アートのところで面白かったのが、ビデオアートの先駆者として知られるナムジュン・パイク氏が製作したロボット"K-456"。この《K-456》君、1982年NYのホイットニー美術館の個展でのパフォーマンス中に自動車事故に...史上初のロボットの自己犠牲者ということだ...ロボットも増えてくると未来の世界では事故も増えるのだろうか。

そして最後が、「未来への可能性」。この展示もすごいボリュームでインタラクティブなインスタレーションが多くすごく楽しめた。もちろん、全部は紹介できないんですが、だらだらとリストアップ。

《クイーン・マンマ》ヤノベケンジ三宅一生
これって更衣室なんですよね~。ここで着替えると生まれ変わって出てくる感じなんでしょうかね。

《streetscape》(中居伊織)
ヘッドフォンを付け、地図上の溝をペンでなぞると実際の街の音が聞こえてくる。音だけで感じる街は、そこに住む人や生活なんかいろんなものを想像させてくれる。

《KAGE 2007》minim++
円錐形のオブジェクトがたくさん置いてあり、光が当たり影が生まれる。円錐の先端に触れると影が様々に変化する。影は実体が存在する証でありつつも影は実体ではない。影によって生み出される実体のない世界って無限の可能性を感じる。光はやはり偉大なのだ。

《凹凸ジェモーションスクリーン》河口洋一郎
CGと併せて画面が盛り上がる。映像もそうだけど、そこに立体感が生まれより映像が生きているように見える。"Gene"と"Emotion"を組み合わせた"Gemotion"。凹凸スクリーンの他に、スクリーン前の人の動きに併せて背景のCGが水の波紋のように変化する展示も面白かった。

《Flipbook》
Web上でパラパラ漫画を作って、共有することが出来る。今はここで、ユーザー登録して使えます。

《hanabi》nendo
形状記憶合金を使った照明。明かりがつくと花が開き、消えると閉じる。こんな照明が家にあるといいな。

《Tablescape plus》筧康明・苗村健・松下光範
専用のテーブル型ディスプレイにL字型のフリップを置くと、キャラクターが投影される。フリップを近づけると(キャラクターが近づくと)話し出したりする。森に入ると...この仕組みはどうなってるんだろう???

《Lake Awareness》森脇裕之
青い光が幻想的。中に入って下さい。そして光に触れてみてください。

《GLOBAL BEARING》平川紀道
巨大スクリーンには、外から見た地球。スクリーンの前には一本の棒=コントローラー。これを操作することで、地球を自由自在に動き回ることができる。

《1000 DeathClock in Paris》宮島達男立花ハジメ
オンライン参加型の作品。参加者は、名前、生年月日、何年何月何日まで生きたいか?を入力。生きてきた時間と死までのカウントダウンを1/10秒単位で行う。

《FragMental Storm》ニキソニモ
入力したキーワードでインターネットを検索し、見つかった複数のサイトを絵や文字をランダムに表示する。

などなど、ほんとにたくさんの作品が。

土偶という縄文時代の作品から現代アートまでを見れて、その中に何か通じるものがあるのを感じた。いつの時代にも文化は存在し、その時代に生きる人の生活「=生きる」ってのがアートには映し出されているようだ。
今は様々な技術が発達し、表現方法は豊かになってきた。でも、そこに映し出されるものは何故か虚無感というか空虚感というか哀しみを感じさせるものが多いような気がする。時代にまじめに向き合うことが"辛さ"から、いつか人の持っている本当は優しい心に触れ合う幸せに変わっていくように、僕も表現力を磨こうと思うのであった。

そうそう、これだけのものが無料で見られるんです!是非足を運ぶ価値有りです。

会   期: 2007年1月21日(日)~2月4日(日)【入場無料】
会   場: 国立新美術館
主   催: 文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・CG-ARTS協会)、国立新美術館

国立新美術館2007/01/21 23:55

国立新美術館
国立新美術館が今日(2007年1月21日)オープン!ここの特徴は、世界ではじめての「物」を蓄積しない、収蔵品を持たない美術館。

初日だから混んでるだろうな~と思いつつ、行ってみると意外にも人は少ない。展示も結構余裕もってじっくり見られた。美術館自体が広いからそう感じたのかな?

美術館は黒川紀章氏による設計。シンボルまーくの「新」は佐藤可士和氏のデザイン。3階建で、通路は吹き抜けで広々~さらに、中央を突き抜ける巨大なコンクリート打ちっぱなし?の巨大な逆円錐の柱。その上にちょこんと乗っかるカフェ・レストラン。
ポール・ボキューズ氏がリヨン以外で、世界で初めて出店したブラッスリーと聞くと行かない訳には行かない。けど、さすがにここは超行列!50人くらは並んでただろうか...なんで今日は止むを得ず諦めた...

今日から
「20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―」
「日本の表現力」
「黒川紀章展 ― 機械の時代から生命の時代へ」
の3つの企画展が開催されている。

開館時間
 企画展: 10:00~18:00(入館は17:30まで)
       会期中の毎週金曜日は20:00まで(入館は19:30まで)
 公募展: 10:00~18:00
休館日
 毎週火曜日(祝日又は休日に当たる場合は開館し、翌日休館)
 年末年始(12/29~1/3)
住所
 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
電話
 03-6812-9900
アクセス
 東京メトロ千代田線乃木坂駅6出口(直結)
 東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分
 都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分