ストロベリーショートケイクス2007/07/06 00:28

ストロベリーショートケイクス
ストロベリーショートケイクスを見た(DVD)。

鈴木里子(池脇千鶴)は、スペシャルな恋をしたいと神様に願っているデリヘル店「ヘブンズゲイト」の電話番。「ヘブンズゲイト」のデリヘル嬢、島村秋代(中村優子)は、叶わないと分っている恋を受け入れ、棺桶の中で生きている。
普通のOL寺本ちひろ(中越典子)は、愛されたいと願い、愛されるために男に尽くす女性。ちひろの幼馴染でルームメイトの岩瀬塔子(岩瀬塔子)は、イラストレータ。プライドが高いが故に悩み過食症。
この4人のお話。派手じゃない。いやむしろ地味な映画だ。ただその分、リアル(リアルすぎる?)だし、共感できる部分もあるのだろう。自分の感情の波もそんなに振れるわけではないが、なんだろう、うまく表現はできないが...

今までそんな事考えた事もなかったんだけど、自分の人生が終わるとき、自分の人生のエンドロールにはいったい誰の名前が出てくるんだろう?なんかそんな事をふと思わせるような映画だった。自分は主演・脚本・監督なのか、それとも、神様に書かれた脚本を出会った人みんなに演出されてる僕は役者でしかないのか...でも結構いい演技してるかもね。

僕は、4人の現在は伝わってきた。それぞれ4人の感情をもっと出して、彼女たちの過去、未来をイメージできるようにしてもいいのかなとも思った。でも、2時間の映画では4人を描くには短すぎるのかもね。

あ、僕は神様欲しいです。困った時にしかお願いしなかったりする信仰心の希薄な僕だけど。願いを叶えてくれはしないけど、そんな事は関係なく神様に頼りたくなるし。あなたにとっての神様は?

監督:矢崎 仁司
原作:魚喃 キリコ 『strawberry shortcakes』(祥伝社)
脚本:狗飼 恭子
出演:池脇 千鶴中越 典子中村 優子、岩瀬 塔子ほか

食房酒膳 銀座六景2007/07/07 00:10

銀座ベルビア館の地下にある「横丁感覚の専門店街」。

5軒の和食屋さんとビアバーがある。どのお店も落ち着いた感じで、高級感漂ってるけど、ちょっと飲んでいこうかなって感じで気軽に入って問題ありません。

BEER7:3(ビア ナナサン)
 至福の「のどごし」と 旨いつまみが楽しめる 本格的ビアバー
串はん
 目にもおいしい ちょっぴり 小さな串揚げ
羅かん
 繊細なだしの風味を生かす 長家と楽しむ、 二汁(出汁、味噌)のおでん
為御菜
 手間を惜しまず、 丁寧に心をこめて 作った家庭料理
楽甚
 研ぎ澄まされた 舌と目が 気どらぬ旨さを 焼きあげる
繁乃井
 鶏肉の味の豊かさを 教えてくれる ツヤツヤの炭火焼き

で、僕は今回は「羅かん」を選択。味噌おでんは初めてたべて新鮮な味。でもおでんって感じじゃないかな。「ばくだん」は味噌でたべたけど美味しかった。
でもね、個人的にはやっぱりシンプルな味の方が好き。出汁はカツオが効いてて、お酒もすすむ。トマトとか海老しんじょうとか美味しかった。

気球クラブ、その後2007/07/08 04:20

気球クラブ、その後
今日は七夕。天の川は見えないけど、きっと僕に見えないだけで輝いてるんだろう。空に近づければ見えるのかな!?な~んて思いつつ 気球クラブ、その後を見た。

"気球クラブ・うわの空"のリーダー村上(長谷川朝晴)、その村上の恋人美津子(永作博美)。二郎(深水元基)は気球クラブに入り、美津子に魅かれる。

お話は、村上の事故によって始まる。5年前に実質的に解散していたメンバーが集まり、そして時は刻まれていく。

荒井由美の「翳りゆく部屋」をモチーフに描かれた青春群像劇ということ。僕は初めて聞いたんだけど、いい曲ですよね。

二人の言葉は当てもなく
過ぎた日々をさまよう
振り向けば ドアの隙間から
宵闇が しのび込む
どんな運命が 愛を遠ざけたの
輝きは戻らない 私が今死んでも

人の想いって掴めそうな距離にありそうにみえるけど、掴めないね。わからないもん。

いつになってもかな。若さってのはそれだけでも宝だって思うこともある。

青春ってなんだろう。

いつも、いつでも自分の生きてる時間は過去へと流れていくだけ。見えなくなってしまう気球もあれば、ずーっと視界から消えない気球もある。いっそ消えてしまえば楽なのにって。
でも消えて欲しくはない。だから、自分がその気球を目で追ってるんだよね。本当は掴みたいんだ。

時間が経つごとに色鮮やかになる気球もある。実際の色とは変わっても、記憶の中の気球はいっそう鮮やかに...ひょっとしたら青春ってのは過去にしかなく、気付くだけのものなのかもしれない。だったら、いつだって青春という時を生きているのかもね。

監督・脚本:園 子温
テーマソング:畠山 美由紀「翳りゆく部屋」(作詞・作曲:新井 由美)
出演:深水 元基、川村 ゆきえ、長谷川 朝晴、永作 博美ほか

白痴2007/07/15 03:02

ドストエフスキーの原作を黒澤明によって映画化された「白痴」。

亀田欽司(森雅之)は、戦犯容疑に銃殺寸前に釈放されたが、そのショックで白痴になった男。亀田は札幌に向かう船で赤間伝吉(三船敏郎)と名乗る豪傑に出会う。
那須妙子(原節子)は、美しいが影を持つ女性。
大野綾子(久我美子)は、亀田の下宿先の強気だが純粋な娘。

お話は、純真無垢な亀田を中心に、妙子、綾子の2人の女性と、赤間の4人によって繰り広げられる愛憎劇。いつも思うのだが、人の根源にあるものは人が生まれてから変わっていないんだなろうなって思う。

相変わらず、作品の訴えるもの、緊張感に圧倒される。

好きな科白があったので紹介。

綾子が亀田の手紙を家族に見せて、それを見て嘲笑する家族に対しての言葉。
「うそが少しも書いてないから
あんまり正直なことが書いてあるからおかしいのよ」


嘘のない正直な言葉僕は書けているだろうか。

いつからか、何かを疑い、信じることから逃げ出してないだろうか。

正しいものを正しいと貫き通せているだろうか。

純粋な心は人をうつ。美しい。裏のない、なんの打算もない想いは人を動かす。

ただ、相手の幸せを願うこと。それが自分の夢に置き換えられていないだろうか。本当の愛って、夢を託すことじゃないはず。何かを言い訳にして、そこから逃げちゃいけない。

人って、生きれば生きるほど何か大切なものを忘れていくのかもしれない。得たものを守るために。最初は何ももっていやしないのに。怖いんだね。失くすってことは。

本当に大切なもの失くしてるのにも気づかずに。

「あるとっても天気のいい日
そういう輝かしいような日には、
人間ってとても希望に燃えるものですから」


監督:黒澤 明
脚本:黒澤 明、久板 栄二郎
出演:森 雅之、三船 敏郎、原 節子、久我 美子 ほか
配給:松竹

西遊記2007/07/16 22:58

西遊記
西遊記

もう言わずと知れた三蔵法師(深津絵里)、孫悟空(香取慎吾)、沙悟浄(内村光良)、猪八戒(伊藤淳史)が天竺へとお経を取りに行くお話しですよね。今回の映画は、金角大王、銀角大王との対決。
西遊記って16世紀のお話なんですね。水戸黄門もそうだけど、この手のストーリーって王道ですよね。4人の個性と、明らかな善悪、最後に正義は勝つという期待を裏切らない終わり方はエンターテイメントには欠かせない要素なのかもしれませんね。

お師匠さんの言葉で好きだったのが、「生きる」ってこと。生きるのはただ呼吸をすることではなく、逃げずに、時としては戦うこと。
黒澤明の「生きる」でも表現されてたけど、人間として生きるってのは、辛いことも楽しいことも含めて、乗り越えていくこと。生きてるのか死んでるのか分からない生き方は寂しいよね。

悟空は単純なんだけど、ストレートな分余計に心に響く。

約束は絶対守る。
なまかを信じる。

考えすぎると、人は余計に大事な事見えなくなるのでしょう。人が生きていくうえで大切なことって、当たり前のことで、それが、欲で見えなくなってしまうんだな。でもね、その弱さも含めて人間で、だからこそ、なかまがいて支えあって生きていける術をもつのがまた人間の素晴らしいことろですよね。

映画のCGシーンがもう少し迫力あるようにというか、リアルになるといいのかなって思った。分かりやすいエンターテイメント映画で十分楽しめました。

製作:亀山 千広
企画:大多 亮
監督:深田 鎌作
脚本:坂本 裕二
出演:香取 慎吾、内村 光良、伊藤 淳史、深津 絵里 ほか
主題歌:MONKEY MAJIK 「Around The World+GO!空」
配給:東宝

浮雲2007/07/21 23:19

成瀬巳喜男監督作品で「驟雨」を見たかったんだけどレンタルビデオ屋さんになかったので、「放浪記」で知られる林芙美子原作の「浮雲」を見た。

幸田ゆき子(高峰秀子)は、公務員として仏印に渡る。若いが故に?気の強さも感じられる女性。富岡兼吾(森雅之)は、仏印駐在の公務員。仕事はできるが超毒舌家。既婚で、妻は日本に残してきている。おせい(岡田茉莉子)は、伊香保で年の離れた夫と飲み屋を経営しているが、東京に戻ってダンサーになりたいと密かに思っている。

あらすじは長いので、ここを見てください。

やっぱりいつの時代も男と女というものは変わらないのだろうか。昼ドラのようなこうドロドロしたお話。どうしようもないなーと思いつつも、これが人間の本性なのだろうとも思ってしまう。

巡り合い -- 縁 -- 運命

巡り合うタイミングというのは、運命で。二人は不幸だったのかもしれない。けど、本当に愛し合っていたのだろうか。
寂しさ、孤独感は人が最も恐れるものではないだろうか。それを埋めるため、互いに傷つくことを知りつつも、二人は一緒にいることを選んだのだろう。

そこには欲というものの存在がある。欲が満たされるかどうか...それが性欲であろうと、食欲であろうと、満たされることで、心も満たされる。そこで人の感情はさまざまに変化する、生まれてくるんじゃないかな。

時代のせいではないと思う。もちろん、終戦という環境も一つの原因だろうけど、このお話は普遍的だ。

すごく人間というものが、そのままが描かれている映画だと思う。弱さ、醜さ含めて。
改めて、男の芯の弱さと女の芯の強さを感じた。そうやって世界は築かれてきてるんだね。

花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき

監督:成瀬 巳喜男
原作:林 芙美子
脚色:水木 洋子
出演:高峰 秀子、森 雅之、岡田 茉莉子 ほか