卒業2006/01/28 16:06

「疾走」以来はまってる、重松清さんの作品。今回は「卒業」を読んだ。

前を向いて、歩いていこう。

親から教わったこと。子どもに伝えたいこと。
そして、友よ―私たちは、あと何度「卒業」のときを迎えるのだろう。
悲しみを乗りこえて旅立つために、渾身の四編。


もともとは、先週から公開になった映画「あおげば尊し」を見る前に原作を読んでおこうって思ったんだけど、未だ映画を見れてない。。。

どの作品も命の尊さを感じさせてくれる。けど、それは後ろ向きなものじゃなくって、忘れるってことでもなくって、受け容れて生きてくってことが伝わってくる作品でした。

まゆみのマーチ
優等生の兄・幸司と歌が大好きな妹・まゆみ、その母親のおはなし。母の死を目前にし、まゆみと母の秘密だったまゆみのマーチを知る。学校に行くことのできなくなってしまった、幸司の息子・亮治に幸司は何ができるのか?

あおげば尊し
厳格な教師であった父は末期がんで余命3ヶ月。息子は、病床に伏した父の元に教え子が訪ねて来ないことで父の人生に疑問を持つ。それでも、最後まで教師として生きて欲しいと願い、最後の課外授業が始まる。

卒業
親友の忘れ形見の少女の「親友じゃなかったの?」という言葉。過去を、父の死を受け容れることが新しい家族との人生を生きるための鍵だと信じ、卒業式を行うことに。

追伸
幼い頃に母を失くした作家の息子は、新しい母を受け容れず、母の書き残した日記を頼りに生きてきた。 その記憶にたより、母を作り上げていく。母親の愛情に息子が気づくのだろうか。

   
 

   

星々の舟2006/01/27 14:56

星々の舟 村山 由佳

禁断の恋に悩む兄妹、他人の恋人ばかりを好きになってしまう末妹、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱えて―。
愛とは、家族とはなにか。別々に瞬きながらも見えない線で繋がる星座のように、家族は、「家」という舟に乗って無限の海を渡っていく。心震える感動の短篇連作小説集、第129回直木賞受賞作。

6つの話で構成されている。家族は、父、母、長男、次男(兄)、長女(妹)、次女(末妹)かな。

雪虫
兄と妹の恋の話。兄妹ってだけで、恋を出来ないってのは何故なんだろうってたまに思う。この話しの中では、決してハッピーエンドではないけど、それでも、そういう恋の形もあるんだよね。

子どもの神様
末の妹の話し。一見天真爛漫に見えるんだけど、実は自分の想いを抑えて、他人のことばかりを考えて行動してしまう。人の内面は見えない分、しっかり向き合わないといけないな。相手に無理をさせたくはないしね。

ひとりしずか
妹とその婚約者のお話。やっぱり僕も自分の心には嘘はつけないと思う。

青葉闇
長男の部下との不倫のお話。不倫相手の2度目の罪は何故?僕は、そんな愛情を感じる罪も結構好きだったりする。

雲の雫
長男の家族の娘のお話。漫画を描くのが大好きなんだけど、親は理解してくれない。なぜなんだろうね。

名の木散る
父の話。これは、あとがきにかえてで、著者の村山さんも書いてるけど、「幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない」という言葉で表現されるのかも。

どの話しもハッピーエンドではないんだけど、そういう愛の形もあるんだって考えさせられました。

   
 

   

流星ワゴン2006/01/12 02:35

重松清の「流星ワゴン」を読んだ。

「信じることや夢見ることは、未来を持っているひとだけの特権だった。信じていたものに裏切られたり、夢が破れたりすることすら、未来を断ち切られたひとから見れば、それは間違いなく幸福なのだった。」

生きる事に疲れた38歳の男が、マジック(?)にかかり後悔を味わって、後悔を消していく。人生には分かれ道が存在する。でも、人はそれに気付かずに生きてるんだよね。おそらく、必死で生きているその時には、見えなくなるのかな。

自分が知ってて、何かを決断した、もしくは決断しなかった分岐点があると、後悔という想いが生まれる。あの時こーしておけば!ってね。でも、いざその時(分岐点)に戻って、将来起こるべく結果を知っていたとして、自分に未来を変えることができるか。結局何もできないのか。果たして本当に未来が変わるのかどうか。その時自分は...

未来が変わるのか自分が変わるのか。どっちなのかな。

親子(特に父と息子)の微妙で不器用な関係も面白い。親の心子知らず。子の心親知らず?どっちもどっち。相手の事を思えばこそということが、時には恩着せがましく、すごく重圧になることもあるよね。

相手の立場になって考える。難しい。無理かも。だって自分は自分だから。 でも、だからいいんじゃないかな?って思う。それは、相手の事を考えないという意味ではなく、納得できれば、それでいいんじゃないかなって。後悔は尽きないものだから。その全てを受け入れて、それでも納得して前に進んでいければね。

   
 

   

白夜行2006/01/07 20:34

年末に来クールのドラマにどんなのがあるかな~って調べてて気になたのが「白夜行」

で、原作を読んでみようと思って本屋に行くと、すごーく分厚い(860ページ)もあるんだよ。活字にほとんど触れることのない僕はドラマ始まるまでに読み終えることができるかな?...と不安だった。けど、そんな僕もあっという間に読み終えてしまった。特に後半~終盤はどんどん引き込まれていった。
最初は、時間の流れに沿って、イベントが描かれていて、登場人物が結構変わるというか、誰が主人公なのかな?って読むのが難しく感じた。でも、後半でいろいろと繋がってくると、そうか~こういう描き方もあるんだなーって関心した。
主人公は桐原亮司と唐沢雪穂。でも、その二人のお互いに対する行動や想いは全く?といっていいほど描かれていない。基本的に客観的というか、他人の視点から書かれている。でも、そこにいつも二人の存在がある(ように思えた。)。だからこそ僕の想像の世界が広がる。終わり方も僕の好きなパターンだ。

さて、これをドラマ化するってどうするんだろう?というのが僕の疑問。結構難しそうだし、この小説の世界観の映像化は無理なんじゃないかな?けど、舞台設定を同じにし、全く異なるストーリー、亮司と雪穂の視点からのドラマを作るとしたら可能なんだろうね。だから、純愛ってコンセプトを前面に打ち出すと話しが作りやすいのかも。

純愛かって事で異論を唱える人も出てくるだろうね。僕もよくは分からないけど、一つの愛の形ではあるのかもしれない。

昔こんな言葉を聞いたことがあって、すごく考えた。「私はあなたのために死ぬことはできませんが、あなたに殺されるのであれば構いません。」未だ僕の心にはこの言葉が残ってます。

「強い」会社は、どこが違うか②2005/12/11 00:11

「強い」会社は、どこが違うか―勝ち続ける企業の“シンプルな法則”

原著者:Laurence Haughton(ローレンス ホートン)
翻訳:高橋 則明

「計画遂行」のためには何をすべきか?
1.方向性を明確にする
2.適切な人材を見つける
3.賛同を得る
4.個人の主体性を増す
この4つがポイントということだ。

まず、方向性に関してだが、これは、目標(これは、具体的、計測可能、説明可能、現実的、時間制限がある必要がある)を設定し、評価する必要がある。「言外の意味をくみ取る」という点はためになった。

2つ目の人材発掘。一番大事なことは、熱意、姿勢であり、ここでは妥協をせず、チームを作成する。その際に、チャンピオンを見つける。

3番目に合意を得ること。CAVE族の話があり、ホットチームを作るには?どうしたらよいかが書かれている。実行する上では、バスに乗る人の選択とチームビルディングは必須だよね。

最後に、主体性を増すには?目標を共有し、モチベーションを見出す、維持する事が大事。各人が意見を言え、自分で考え、決めて、実行する環境を作ることが大事なんだよな~。

結論は、「言葉ではなく、行動が違いを生む」ということだ。

まぁ、戦略を立案することはもちろん大事だ。それを戦術に落とし込めることも。でも、ど~んなにすばらしい言葉がそこにあっても、それを実行する人が意思を持って実行しない限りは、成功しない。もちろん失敗も。だよね、結局は成功した企業はそれを実行してるから成功してるんだから、実行力ってのは当たり前の事だ。
けど、人はそんな当たり前過ぎる事は見えなくなるんだよ。一旦離れてみるか、失ってみないと気付かないのが、人間の本質にはあるのかもしれない。気付けば同じ過ちは繰り返さない。。。けど、人は忘れる生き物でもあって。それがヒトという生物の限界なのか。

図解ビジネス心理学1 モチベーション①2005/12/10 21:07

図解ビジネス心理学1 モチベーション
図解ビジネス心理学 1 モチベーション
やる気を引き出す20のポイント
通勤大学文庫
林 恭弘 (著)

「やる気」という事を仕事の観点から分かりやすく解説した本だ。
僕の経験ではあるが、「やる気」というのはもちろん自己の中から出てくる意志の力であって、これが何故あるか?またはないか?それを突き詰めるのは意外に楽しいものだ。結局これは人を観察することで、その人を理解しようと努力しなければ、答えは見えてこない。人は千差万別。それぞれモチベーションは違うところにある。

仕事という観点からちょっと離れると、モチベーションの究極は、何のために生きるのかということになるのかもしれない。この間、テレビで誰かが、日本人の人生の目的みたいな話をしていた時に、欧米諸国に比べ、日本人は楽しく生きる事を目的としていると答える人が多いと言っていた。漠然とはしているけど、僕も、人生は楽しまなければ勿体無いと思う。
けど、そこに具体性を持つことが大事だよね。欧米では、国際社会に貢献するとかいう事が上位にくるらしいけど、それは、結局は世の中に貢献する⇒自己の欲求が満たされる⇒幸せ~といった構図なので、思うところは一緒かな?と思う。
目標は、楽しく生きるって事であって、じゃーそのためには自分は何をしたいのか?そこを上手く表現できなかったり、具体的な行動へ移せない事が多いんじゃないかな?

特に、仕事って観点に戻すと、経営者側と雇用者側の溝が大きいように感じる。どちらもがお互いに期待をしているだけじゃ、時間だけ過ぎて、結局会社は無くなってしまう。誰かがってのじゃなくって、自分が!って意識に変える。それをどちらの側からも努力する必要がある。じゃーそのモチベーションはどうやって作り出すか?
僕は、自分のやりたい事を仕事にちょっとでもオーバーラップさせるといいんじゃないかな?って思う。「石橋を叩いても渡らない」慎重な人が多い。確かに慎重に進むのは大事だけど、心配であれば、自分で石橋を作って渡ればいいよね。やりたい事を実現させる場は、自分で作ってしまえばいい。それが仕事に重なれば、一日の大半を費やす仕事がすごく充実したものになるんじゃないかな?

僕の経験上、今やらない事は、きっといつになってもやらないんだよね。それに何かを成し遂げるためには、全然関係なさそうな事をやらざるを得ない事もたーくさんある。でも、目標を見失わなければ、全然苦労だとは思わないしね。目標のためには直ぐ行動!
幸い僕の周りには有能な人がたくさんいて刺激を受け続けているので、モチベーションはあがる一方だ。ひょっとしたら躁病か?と思うくらいの時もある。きっと自分の周りには視点を変えて、固定観念をなくしてみると、刺激を受けるものや人がたくさんあるはずですよね?そんなものや人からモチベーションを頂くのもいいですよ。