転々2007/11/18 19:04

転々
時効警察好きの僕としては、見ないわけにはいかない転々を見てきた。

「散歩」=気晴らしや健康などのために、ぶらぶら歩くこと。散策。

竹村文哉(オダギリジョー)は、大学8年生。幼い頃に両親に捨てられ、育ての親は逮捕され、孤独な青年。84万円の借金を抱え、福原(三浦友和)に厳しく取り立てられる。

返済期限は3日後。返済期限の前日に文哉は、福原から借金返済との交換条件に、吉祥寺から霞ヶ関までの東京散歩に付き合うことを提案される。なぜ、霞ヶ関かのか?散歩の途中で、福原の知人麻紀子の家を訪れ、そこで、擬似家族のような数日を過ごす。散歩はいったい、いつ終わるのか。

散りばめられたギャグはすばらしい。コインロッカーに隠された鞄の中身、街中に潜む猫、崖のにおいのする○○○、熱い!?柿、愛玉子のばか息子、商店街の時計屋さんの正体、三角の畳の脅威、岸辺一徳などなど...それが、更に物語の最後の切なさを引き立てるスパイスになってね。

戻るべき場所、戻りたくなる場所、それはやっぱり故郷なのだろう。自分のルーツとなった場所。そこに行くと、思い出す。
それは、きっと幸せな時は忘れてしまっている。けど、傷つき、倒れそうな時にきっと気付くはず。そして感謝する、故郷が、自分の戻るべき場所があることに。誰にだってあるはずだよね。

散歩、散歩、散歩・・・って考えてたら、なんか、これって、進むコマが決まってない(自分で決めていい)双六みたい。進める距離は、サイコロふった時に、きっと神様が決めてるんだろうし、止まったコマではそりゃいろんな予想しないことも起こるし。それに、双六との最大の違いは、あがりが無いって事かな。もちろん、他の人も盤面に出てくるけど、競争じゃないし、ゲームにはならないよね。自分が決めた時点があがり!

監督・脚本:三木 聡
出演:オダギリジョー、三浦 友和、小泉 今日子ほか