浮雲2007/07/21 23:19

成瀬巳喜男監督作品で「驟雨」を見たかったんだけどレンタルビデオ屋さんになかったので、「放浪記」で知られる林芙美子原作の「浮雲」を見た。

幸田ゆき子(高峰秀子)は、公務員として仏印に渡る。若いが故に?気の強さも感じられる女性。富岡兼吾(森雅之)は、仏印駐在の公務員。仕事はできるが超毒舌家。既婚で、妻は日本に残してきている。おせい(岡田茉莉子)は、伊香保で年の離れた夫と飲み屋を経営しているが、東京に戻ってダンサーになりたいと密かに思っている。

あらすじは長いので、ここを見てください。

やっぱりいつの時代も男と女というものは変わらないのだろうか。昼ドラのようなこうドロドロしたお話。どうしようもないなーと思いつつも、これが人間の本性なのだろうとも思ってしまう。

巡り合い -- 縁 -- 運命

巡り合うタイミングというのは、運命で。二人は不幸だったのかもしれない。けど、本当に愛し合っていたのだろうか。
寂しさ、孤独感は人が最も恐れるものではないだろうか。それを埋めるため、互いに傷つくことを知りつつも、二人は一緒にいることを選んだのだろう。

そこには欲というものの存在がある。欲が満たされるかどうか...それが性欲であろうと、食欲であろうと、満たされることで、心も満たされる。そこで人の感情はさまざまに変化する、生まれてくるんじゃないかな。

時代のせいではないと思う。もちろん、終戦という環境も一つの原因だろうけど、このお話は普遍的だ。

すごく人間というものが、そのままが描かれている映画だと思う。弱さ、醜さ含めて。
改めて、男の芯の弱さと女の芯の強さを感じた。そうやって世界は築かれてきてるんだね。

花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき

監督:成瀬 巳喜男
原作:林 芙美子
脚色:水木 洋子
出演:高峰 秀子、森 雅之、岡田 茉莉子 ほか

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://schicksal.asablo.jp/blog/2007/07/21/1671076/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。