海でのはなし2007/01/09 01:07

海でのはなし
海でのはなしユーロスペースで見てきた。

吹野楓宮崎あおい)は、普通の家庭に育った、普通ではあるが幸せな一人娘。最近、父・洋介勝野洋)が浮気をしているのではないか?と疑い、それに気付かない鈍感な母・紫乃毬谷友子)に苛立ちを感じている。

日比野博士(西島秀俊)は、人付き合いが苦手な物理学の研究者。”ひろし”という名前だけど、楓には”はかせ”と呼ばれている。本当は助手。博士は父・保積ぺぺ)と母・真子(天光眞弓)には長い間会っていない。

お話は、楓と博士との切ないラブストーリー。

映画は、基本的にはスピッツのPVを思わせるつくりかな。映画をスピッツの楽曲が盛り上げるのではなく、スピッツの音楽の世界を映画にしたらこんな感じの映像が一つの「かたち」なのかもしれない。

僕もスピッツが大好き。その詩とメロディーの織り成す切ない世界観が好き。切ないんだけど、どこか希望を与えてくれる。好きなついでに映画とは関係ないけど僕の好きな歌詞を紹介。

胸に咲いた黄色い花
胸に咲いた黄色い花 君の心宿した花
このまま僕のそばにいてずっと
もう消えないでね
乾いて枯れかかった僕の胸に

で、映画に戻ると。博士は絶対的なものを信じる。自分が相対的な存在であるから。物理学を取り上げてくるのは脚本家・大宮エリーらしさなのかな?理系だしね。

ニュートン第3法則、相互作用(作用反作用)の法則
You ask for me and I go to see you according to your power.

目で見ることのできない人の心も何かの法則に支配されているのだろうか?人が人に惹かれるその法則は永遠に人間が証明することのできない定理かな。そこに面白みがあって、ドラマがあるから。ひょっとしたら、愛する人に出会った時その定理はその人の中で証明されているのかもね。
そのために、人は悩み・苦しみ、泣き、そして笑う。人間らしい生き方。ずいぶんと夜の海なんか見てないな…もう少し暖かくなったら行ってみようかな(笑)

海でのはなし
監督・脚本:大宮 エリー
出演:宮崎 あおい、西島 秀俊、天光 眞弓、保積 ぺぺほか
音楽:スピッツ
~「正夢」「スカーレット」「ホタル」「水色の街」「遥か」「スパイダー」「青い車」「ロビンソン」「楓」