UDON2006/08/26 22:05

UDON
UDON(うどん)

なぜ今うどん?というのもあるけど、予告編を最初に見て以来、見てみなくてはと決めていた。

うどんを知るにはいい映画だろうか。香川県のPR映画っぽいところもあるが...随所に入ってくるギャグやストーリーの本質には必要ない(?)映像はエンターテイメントとしては楽しめる。もちろん、うどんも食べたくなる。

「笑いは消化を助ける。胃酸より効く。」(イマヌエル・カント)の言葉はいいよね。

親子(父と息子)、「夢=コメディアン」と「現実=うどん」の対比の設定はいいのかもしれない。香川とニューヨークもね。
ただ、この映画で多分伝えたかった事が、いろんな要素が入りすぎてぼやけてしまっていた。「家族」「友情」「恋愛」「夢」...
それでも、ほろりと感動させられるんだけどね。

あとは、ナレーションというか、感情の説明が多かったかな。少し観る側に考えさせて、演技で感情の隙間を埋めさせて欲しかった。妄想好きの僕だけかな?

父の死後、父の歩んだ風景が、映像と音と供に、一瞬の間を空けて切り替わっていくところは好きだった。


ストーリー(公式HPより)
BIG!になるために讃岐からNYへと飛び出した松井香助。しかし夢半ばで挫折し、借金を背負っての凱旋?帰国。あたたかい仲間に歓迎されるも、頑固な父親は「何しに帰ってきた!」と一喝。とりあえず借金を返すため、親友・庄介の紹介でタウン誌で働くことに。香助のアイデアで編集部員の恭子と手がけたうどんコラムが大反響を呼び、日本中にうどんブームを巻き起こす。しかし、頑固な父親が突然倒れて…。

製作:亀山 千広
監督:本広 克行
脚本:戸田山 雅司
出演:ユースケ・サンタマリア小西 真奈美トータス松本、鈴木 京香
配給:東宝

「子猫殺し」2006/08/27 23:54

坂東眞砂子さんの日本経済新聞夕刊の「プロムナード」の「子猫殺し」というコラムに対し抗議が殺到しているということだ。

衝撃的な冒頭部分。「そんなこと承知で打ち明けるが、私は子猫を殺している。」

なぜこれほどの問題になっているのだろうか?直木賞作家という冠が着いた人が書いたからだろうか?それに、新聞社も何故これを掲載する決心をしたのだろう?売上を伸ばすため?

疑問を投げかけたかったんじゃないかな?確かにペットの避妊手術を行うことが、人がペットを飼う際に、人の都合で行われる事で、ひょっとしたらそれに疑問を持たずに実行している人もいるだろう。

命の大切さを改めて考えさせるコラムではある。善悪は別として。

僕の意見だが、それだけの矛盾を感じ、批判をしながらも、自分の欲望のためにペットを飼う事を選んでいるのは何故か?という事だ。

『自分の育ててきた猫の「生」の充実を選び』というのは、正にエゴではないか?だって、これから生まれ来る命より、一緒に生きてきた命を優先するという事。これって、僕は選ぶという考え、行為自体が間違いだと思う。だって、神じゃないんだから。神にだってそんな事を選んだりする権利はないと思う。

『社会に対する責任として子殺しを選択した。』これって本当に社会に対する責任を果たしている事になるのだろうか?親が生きるために、子を殺すということを社会に訴えるのか?

《命》ってなんだろう?生きている事?生きているって?
避妊手術をする事って生きる事を捨てる事かな?生き物はすべて、子孫を残すためだけに、生まれてくるのだろうか?

「トゥモロー・ワールド」という映画が今年12月に公開される。

NO CHILDREN, NO FUTURE, NO HOPE.

確かに子供を残すことは希望だ。そうでないと世界は無くなってしまう。けど、僕が最近感じているのは、子供は親の夢を託す道具じゃないという事。子供のためにとか、子供がいるからとか、そんな理由で親が自分の人生を歩めないような言い訳をしているのを聞くのが僕は嫌だ。

子を思う親の心は分かる。けど、一人の人間が生きる道はその人が選ぶべき。子供だから正しい道を選べないというのは、言い訳の気がする。親はもしそう思うのなら、子供がそう生きれる環境を作れるように、がんばる事が必要だと思う。直接的な道の選択を子供に見せる事だけが選択肢ではないと思う。

今見える選択肢だけでものを考えなくても、もっと方法があるんじゃないかなって思う。だからペットの問題もそう。なぜ2者択一でしか考えられなかったのだろうか?

なんとなく今思うのは、ただ、こうやって全て曝け出し、世界の批判を受け、殺しの痛み、悲しみから少しでも解放されたいと思い、最後にとった行動なんじゃないかな?悪いことをした時に、それを罰せられる事で罪から開放された感が生まれる時があるから。でも、そんな事で罪からは逃れられない。きっと本人も解っているとは思うけど。

生きる事でしか、罪は拭えない。人の分まで生きようと思ってもそんな事は無理だと思う。すべて受け入れて、一生懸命生きていく事しか生き物にはできないのだから。それくらい命は重い、尊いものだと思う。