「子猫殺し」2006/08/27 23:54

坂東眞砂子さんの日本経済新聞夕刊の「プロムナード」の「子猫殺し」というコラムに対し抗議が殺到しているということだ。

衝撃的な冒頭部分。「そんなこと承知で打ち明けるが、私は子猫を殺している。」

なぜこれほどの問題になっているのだろうか?直木賞作家という冠が着いた人が書いたからだろうか?それに、新聞社も何故これを掲載する決心をしたのだろう?売上を伸ばすため?

疑問を投げかけたかったんじゃないかな?確かにペットの避妊手術を行うことが、人がペットを飼う際に、人の都合で行われる事で、ひょっとしたらそれに疑問を持たずに実行している人もいるだろう。

命の大切さを改めて考えさせるコラムではある。善悪は別として。

僕の意見だが、それだけの矛盾を感じ、批判をしながらも、自分の欲望のためにペットを飼う事を選んでいるのは何故か?という事だ。

『自分の育ててきた猫の「生」の充実を選び』というのは、正にエゴではないか?だって、これから生まれ来る命より、一緒に生きてきた命を優先するという事。これって、僕は選ぶという考え、行為自体が間違いだと思う。だって、神じゃないんだから。神にだってそんな事を選んだりする権利はないと思う。

『社会に対する責任として子殺しを選択した。』これって本当に社会に対する責任を果たしている事になるのだろうか?親が生きるために、子を殺すということを社会に訴えるのか?

《命》ってなんだろう?生きている事?生きているって?
避妊手術をする事って生きる事を捨てる事かな?生き物はすべて、子孫を残すためだけに、生まれてくるのだろうか?

「トゥモロー・ワールド」という映画が今年12月に公開される。

NO CHILDREN, NO FUTURE, NO HOPE.

確かに子供を残すことは希望だ。そうでないと世界は無くなってしまう。けど、僕が最近感じているのは、子供は親の夢を託す道具じゃないという事。子供のためにとか、子供がいるからとか、そんな理由で親が自分の人生を歩めないような言い訳をしているのを聞くのが僕は嫌だ。

子を思う親の心は分かる。けど、一人の人間が生きる道はその人が選ぶべき。子供だから正しい道を選べないというのは、言い訳の気がする。親はもしそう思うのなら、子供がそう生きれる環境を作れるように、がんばる事が必要だと思う。直接的な道の選択を子供に見せる事だけが選択肢ではないと思う。

今見える選択肢だけでものを考えなくても、もっと方法があるんじゃないかなって思う。だからペットの問題もそう。なぜ2者択一でしか考えられなかったのだろうか?

なんとなく今思うのは、ただ、こうやって全て曝け出し、世界の批判を受け、殺しの痛み、悲しみから少しでも解放されたいと思い、最後にとった行動なんじゃないかな?悪いことをした時に、それを罰せられる事で罪から開放された感が生まれる時があるから。でも、そんな事で罪からは逃れられない。きっと本人も解っているとは思うけど。

生きる事でしか、罪は拭えない。人の分まで生きようと思ってもそんな事は無理だと思う。すべて受け入れて、一生懸命生きていく事しか生き物にはできないのだから。それくらい命は重い、尊いものだと思う。

コメント

_ いもすけ山 ― 2006/08/28 12:59

はじめまして。いもすけ山と申します。ブロ電よりたどりつきました。

この「子猫殺し」のコラム、大分いろんなとこで波紋を呼んでるようですね。テレビでもちらっと見ました。

僕は、人間は日々生きていく中でいろいろなものを殺している(例えば、食事。あれは基本的に動物や植物の死体を加工して食べてるわけですよね。自分の命を永らえさせるために)と思っているので、なんでそんなに大反響を呼ぶのか今ひとつわかんない部分があります。生こそが罪。でも死にたくない。だから生きる。なにかを殺してでも生きのびる。そんな風に考えています。
人間は、というか生き物は、生きている限り、何をしても救われないのではないのでしょうか。

_ raccoon ― 2006/09/05 23:30

いもすけ山さんコメントありがとうございます。
あらゆる命ある生き物は依存しているんですよね。救われないかどうかと言われると何かに依存することで既に救われているような気がします。
生きるって罪な事なのかもしれませんね。

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