あなた2006/02/20 23:08

あなた 乃南 アサ

心の中まで手に取るように分かってしまう私なのに。
あなたを見つめるために生まれたはずの私なのに。
見つめれば見つめるほどあなたは逃げてゆく。
そしてこともあろうに、あなたは彼女と二人で、
こんな所にまでやって来てしまった....
四人の若い男女に続けざまに起こる異変。
それには思いもよらぬ「理由」があった。
恐怖と切なさが交錯する「泣ける」長編ホラー小説。

僕は正直にいうとあんまり思い入れのできない作品だった。純愛小説のような感じというか、そんな先入観で読んでしまったからかな。

あとは、主人公の秀明もね~。カンナと出会って大人になったのか。でも、どう考えても、樋口は可哀そすぎる。なぜ、この小説に登場してきたのか。

ミスチルの「HERO」の歌詞を思い出した。
ダメな映画を盛り上げるために、簡単に命が捨てられていく
...はまぁいいとして。(この小説がダメってわけじゃないですよ!)

愛の想いが強すぎると、憎しみに変わる?のかな。まぁ分からないことはないけど、でも利己的な愛の形かな。本当の愛は無償だと思う。そこまでたどり着けるかどうか。。。

世の中は不公平だよね。アンフェアの影響かな?でも、人と人の出会いは運命で、その時のその人の状況で愛の形も変わってしまう気がする。

変え難いものはあるよね。運命の人って同じ時、同じ星に生まれ、出会う人でしかないんだから。

でもね、たまに思うことがある。自分の中で理想として形作ってしまっている愛というものの形にとらわれすぎて、実はそれは自分を守るための言い訳にしてるんじゃないかって。

とまぁ、いろんな事を考えて。本としては読みやすい作品でした。