星々の舟2006/01/27 14:56

星々の舟 村山 由佳

禁断の恋に悩む兄妹、他人の恋人ばかりを好きになってしまう末妹、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱えて―。
愛とは、家族とはなにか。別々に瞬きながらも見えない線で繋がる星座のように、家族は、「家」という舟に乗って無限の海を渡っていく。心震える感動の短篇連作小説集、第129回直木賞受賞作。

6つの話で構成されている。家族は、父、母、長男、次男(兄)、長女(妹)、次女(末妹)かな。

雪虫
兄と妹の恋の話。兄妹ってだけで、恋を出来ないってのは何故なんだろうってたまに思う。この話しの中では、決してハッピーエンドではないけど、それでも、そういう恋の形もあるんだよね。

子どもの神様
末の妹の話し。一見天真爛漫に見えるんだけど、実は自分の想いを抑えて、他人のことばかりを考えて行動してしまう。人の内面は見えない分、しっかり向き合わないといけないな。相手に無理をさせたくはないしね。

ひとりしずか
妹とその婚約者のお話。やっぱり僕も自分の心には嘘はつけないと思う。

青葉闇
長男の部下との不倫のお話。不倫相手の2度目の罪は何故?僕は、そんな愛情を感じる罪も結構好きだったりする。

雲の雫
長男の家族の娘のお話。漫画を描くのが大好きなんだけど、親は理解してくれない。なぜなんだろうね。

名の木散る
父の話。これは、あとがきにかえてで、著者の村山さんも書いてるけど、「幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない」という言葉で表現されるのかも。

どの話しもハッピーエンドではないんだけど、そういう愛の形もあるんだって考えさせられました。